たんぱく質はアミノ酸が鎖状につながってできており、そのつながり方は食品によって違います。アミノ酸は約20種類あり、このうち体内で合成できない9種類を必須アミノ酸といい、この必須アミノ酸をバランス良く含んでいるのが良質たんぱく質といわれます。
必須アミノ酸をどのくらい含むかを示したものがアミノ酸スコアで、これは理想的なたんぱく質を100とした場合、食品がどれだけ理想値に近いか示す数値です。
かまぼこ製品のたんぱく質の評価は必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、いわば100点満点。必須アミノ酸の一部が不足しているご飯やめん類、大豆などもかまぼこ製品と組み合わせることでおのおのの不足が補給できます。
ぷりぷりした独特の食感は、かまぼこ製品の優れた品質を物語っています。
魚肉を少量の食塩とともにすりつぶして、たんぱく質を溶かし出し、これが絡み合い網目のようにしっかり結びつきます。
網目の中には水分が閉じ込められ、さらに加熱することによって網目構造はいっそう強くなり、あのぷりぷりした弾力が生まれます。
すりつぶして練る前の「水晒し」の段階でたんぱく質の絡み合いを阻害する酵素を洗い流すため、たんぱく質がより強く絡み合うのです。
原料の魚の鮮度も大切。鮮度が落ちるとたんぱく質が変性し、弾力が低下するからです。
かまぼこ製品には、一度かんだくらいではかみきれない強い弾力があるため、消化が良くないと考える人がいますが、事実は逆です。
かまぼこ製品の弾力は、魚のたんぱく質だけで、その性質をうまく利用して作られたもの。しかも、魚肉をペースト状にするので、筋肉繊維がすりつぶされて消化されやすくなっています。そのままでも安心して食べられ、お子さまやお年寄りのおやつにも最適。スナック感覚で食べられます。
血液中の尿酸値を正常に保つには、プリン体を含む食品を控えなければなりません。プリン体は核酸の構成成分ですが、かまぼこ製品は水晒しをするので、この核酸が抜け出します。そのためプリン体を心配せずに良質のたんぱく質が補給できます。
脂肪を構成する脂肪酸には3つのタイプがあります。
さつま揚げやつみれなどのかまぼこ製品は、乳製品、青葉、大豆製品などとともにカルシウムの貴重な供給源です。
カルシウムは、骨や歯の主成分となるほか、神経系の情報伝達、精神安定などとも深くかかわっていますが、日本人には慢性的に不足しがちな栄養素。特に骨や筋肉などの発達が盛んな子供や出産や更年期を迎えた女性には欠かせません。カルシウムの吸収を高めるにはたんぱく質やビタミンDの助けが必要です。サバなどの赤身魚にはカルシウムのほかに良質たんぱく質やビタミンDも含まれていますので、これらを原料として作ったさつま揚げやつみれはカルシウムが効率よくとれます。
骨折して寝たきりの原因となる骨粗しょう症を防ぐためにも毎日欠かさず補給しましょう。
さつま揚げやつみれなどには鉄分も比較的多く含まれています。しかも動物性食品に多く含まれるヘム鉄のため、植物性食品に含まれる非ヘム鉄より吸収率は高まります。女性は月経の影響で鉄欠乏性貧血になりやすいので、しっかりとる必要があります。鉄分はたんぱく質と一緒にとると体内での利用率が高まりますから、良質たんぱく質を同時に含むかまぼこ製品は貧血対策にもおすすめです。
骨や筋肉などの発達が盛んで活動量も多い成長期の子どもにとって特に重要な栄養素がたんぱく質やカルシウム。これらを手軽に、ファストフード感覚でとれるのがかまぼこ製品。野菜入りなど種類もたくさんあるので、子供のおやつにぴったりです。甘いおやつよりはるかにヘルシーです。
年をとるにつれ忍び寄る老化や生活習慣病。これらを防ぐには、原因を断つとともに、抑制する働きのある食品因子を積極的にとることです。そのひとつが、イワシなどの青背魚に多いDHAやEPA。これらを多く含む魚で作ったつみれなどのかまぼこ製品を大いに活用しましょう。
高齢になっても体は新陳代謝を繰り返しています。体中の細胞の構成成分となるたんぱく質は壮年期と同じくらいしっかり補給します。ただし、1回に食べられる量が減り、かむ力や消化能力も弱まってきています。のどごしも消化も良く、低脂肪で良質たんぱく質の多いかまぼこ製品はおすすめです。
生理、妊娠、出産、更年期など、健康にかかわる大きな節目を迎える女性は、バランスのとれた食事が何より大切です。便秘は食物繊維、貧血はたんぱく質や鉄、肌荒れはたんぱく質やビタミン類、骨粗しょう症はカルシウムなどが不足して起こります。ダイエットする場合も「食べながらやせる」のが鉄則。低脂肪で良質たんぱく質、カルシウムなどが豊富なかまぼこ製品はダイエット中の人にも好都合ですので、活用しましょう。
夜遅くまで受験勉強や残業などをするとおなかがすいてしまいます。かまぼこ製品は良質たんぱく質を多く含み、低脂肪で消化も良いのが特徴ですから、夜食にも安心しておすすめできます。
また、良質たんぱく質は肝臓の働きを高めるといわれていますので、たんぱく質の豊富なかまぼこ製品は酒のさかなとしてもうってつけです。
最近、マラソン、プロ野球などで栄養学に基づいた体質改善、体力強化法を導入する選手が増えています。低脂肪・良質たんぱく質が豊富なかまぼこ製品はスポーツ界でも見直されています。消化が良く、胃腸への負担も少ないので、スポーツをする人にはぴったりのたんぱく質源です。
アマチュアのスポーツマンも筋肉、血管、骨を強化し、余分な体脂肪をつけないために、かまぼこ製品を活用しバランスのとれた食生活を心がけましょう。
■出典:全国かまぼこ連合会